定積分

定積分が図形の総面積と一致しないのはなぜ?

「曲線の下の面積」という表現には符号の規則が隠れています。定積分では x 軸より下の領域を負として数えるため、正負の面積が等しければ、図形が存在していても結果は 0 になります。

先に結論

定積分は符号付きの正味面積です。総面積は x 軸の上下にある領域の大きさをすべて正として足します。

積分区間内で関数の符号が変わる場合、総面積は関係する零点ごとに区間を分けて求めます。

比較例:f(x)=x、区間 [−1,1]

x は [−1,0] で負、[0,1] で正です。二つの三角形は大きさが等しく符号が反対なので、−1 から 1 までの定積分は 0 です。

図形の総面積では打ち消しません。x=0 で区間を分け、負の部分の符号を反転するか、|x| を積分します。各三角形の面積は 1/2 なので合計は 1 です。

応用でも区別が必要です。速度を積分すると、向きが変わった区間が打ち消し合う変位になります。速さ、つまり速度の絶対値を積分すると総移動距離になります。

定積分を面積として使う前に、区間内の零点と不連続点を確認します。符号表を作れば、絶対値や区間分割が必要な場所が分かります。

1
∫₋₁¹ x dx = 0 (符号付き面積)
2
∫₋₁⁰ (−x) dx + ∫₀¹ x dx = 1
3
∫₋₁¹ |x| dx = 1 (総面積)

例題

∫₋₁¹ x dx
00

負と正の符号付き領域が打ち消し合います。

[−1,1] で y=x と x 軸に囲まれる総面積
11

0 で区間を分けるか |x| を積分し、両方の領域を正として足します。

∫02x−1 dx\int_{0}^{2} x - 1\,\mathrm{d}x
正味面積 0、総面積 1

x=1 で符号が変わり、等しい二つの三角形に分かれます。

よくある間違い

  • • 定積分が 0 だから図形の面積も 0 だと判断すること。
  • • 符号が変わる点で分けず、最後の積分値だけに絶対値を付けること。
  • • 端点だけを見て区間内部の不連続点を無視すること。
  • • 速度の積分で得る変位と、総移動距離を混同すること。

例題を計算機で確認

各リンクから、式・変数・必要な条件が入力された対応計算機を開けます。

入力例なしで開く: 定積分計算機

参考資料

よくある質問

定積分が負になることはありますか?+

あります。x 軸より下の符号付き寄与が、上の寄与より大きい場合は負になります。

総面積は必ず絶対値の積分ですか?+

積分可能な関数と指定区間について、グラフと x 軸の間の総面積は |f(x)| の積分で求められます。実際の計算では符号が変わる点で分けます。

なぜ先に零点を求めるのですか?+

零点は符号が変わる可能性のある場所です。総面積を足すために区間をどこで分けるか判断できます。

まとめ

問題が図形の面積を求めていると明記するまでは、定積分を符号付き量として扱います。総面積なら符号変化を調べ、区間を分けて大きさを足してください。

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